SAMARU(さまる)AMARU庭師・造園業編

雑草対策に!強くて綺麗な多年草のグランドカバー10選

雑草対策に!強くて綺麗な多年草のグランドカバー10選

庭の足元を彩るグランドカバーは、選ぶ植物によって全体の雰囲気が変わり、見た目以外にもさまざまなメリットがあります。芝生以外の植物でグランドカバーしたいと考える人に、おすすめの多年草植物をご紹介します。

グランドカバーを取り入れるメリット

グランドカバーとは、お庭の足元をカバーしてくれる植物のことを指します。踏んでも元気に育つような常緑草や多年草のうち、地を這うように広がっていく植物を示すことが多いです。見た目にも楽しめるグランドカバーには、実はたくさんのメリットがあります。

地面が綺麗に見える

土や雑草だらけの地面より、花や草の綺麗な色が一面に広がった地面の方が華やかで美しいですね。既にお庭に植えている樹木や花を引き立てる効果もあります。また、地面に近い低い位置に瑞々しい緑や花が咲くことで、庭全体に立体感も生まれます。

手入れが簡単なものが多い

よく検討されることの多い芝生は、定期的な刈り込みなど手入れの手間の心配があります。一方、グランドカバーによく用いられる植物は、基本的にはあまり手間がかからないものが多く、リーズナブルかつ気軽に始めやすい点も魅力です。

雑草対策になる

地面を這って広がるグランドカバーは、土の露出による乾燥や流出を防いでくれる効果があります。また、地面が覆われることで雑草が生えにくい状態になり、草むしりの手間を大幅に軽減できることも大きなメリットです。さらに、地面を覆うことで土の湿度を保ち、土壌の流出を防ぐ効果も期待できます。

グランドカバーにおすすめの多年草の植物10選

グランドカバーに向いている植物はたくさんあります。ぜひ、お庭にマッチするものを見つけてみましょう。ここでは、多年草の植物からピックアップしてご紹介します。

クラピア

クラピアふかふかとした絨毯のような地面をかなえてくれるのが「クラピア」です。とても生育旺盛ですが、年1回程度の刈り込みでもさほど草丈が高くなりません。関東より西の地域では、2月~3月くらいが休眠期ですが、春になると芽吹きはじめ、長い間綺麗なグリーンを見ることができます。小さな花が繰り返し咲く様子も楽しめます。

タイム

タイムよく知られるハーブの1種で、木立性のものと横に広がるタイプがあります。グランドカバーには広がるタイプがおすすめ。清々しい香りが特徴で、上を歩くとスッキリとした香りを感じるでしょう。ミントに比べて手入れがしやすく植えやすいとされています。

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウタイムにとても近い種類の植物で、桃紫色・ピンク色・白色などの花を咲かせ、種類は豊富です。高山植物の1種に数えられ、涼しい環境を好みますが、日本では広く分布します。葉っぱをつけたまま越冬し、夏には小さな花を咲かせます。常緑性の植物で栽培難易度もさほど高くないため、初心者の方にもぴったりなグランドカバーといえるでしょう。

セダム

セダム多肉植物の仲間で日本には30種類以上が自生しています。岩石など土の少ないところでも着生する特徴があり、乾燥にも強いです。種類により寒さに強いものと若干弱いものとがあります。セダムの多くは初夏に黄色の花をつけ、地植えで雨にさらされる場所なら水やりもほとんど不要です。時おり背が高いものは半分の高さにカットし、密になっているものはすいてあげましょう。カットしたものを土に置いておくとどんどん増えます。

アジュガ

アジュガさまざまな環境下で育てやすく手間もさほどかからない植物で、とても人気があります。春には可愛い花が咲き、青やピンクで彩ります。茎の先から伸びるランナーから新しい根っこが生まれ、どんどん新しい株が広がり増えていきます。地植えの場合、特に水やりは必要ありません。蒸れを嫌うためお花が終わったら株自体を半分程度の長さに切り戻します。良い環境で生育をし続けるためには植えっぱなしを避けて、4~5年に1度は新しい場所にうつしたり、土を新しく入れ替えるなどの対策が必要です。

シバザクラ

シバザクラ春に桜の花の形に似た花が一面に咲く姿が美しい植物です。満開時はとても見ごたえがあり、観光名所となっているところもたくさんあります。花の色はピンクや白、紫などがあり、品種のバラエティも豊富です。涼しい環境を好み、寒さにも強いため越冬を繰り返し何年も楽しめます。良い環境であれば、一株で50cm程度まで広がる生育旺盛な植物です。ただし、踏みつけにはあまり強くないため、人が歩かない場所に適しています。

ベロニカ・オックスフォードブルー

ベロニカ・オックスフォードブルー地面を這うように広がり、うまく根付けばほとんど手間をかけずに5月くらいにブルーの花を咲かせます。花壇の前段などに用いられることも多く、小さな花がたくさん咲く様子は見ごたえ満点。宿根性ですが、冬にも葉っぱは残ります。春・夏の明るい緑色の葉っぱは他の植物をより明るく引き立ててくれますが、秋から冬にかけて見られる銅色の葉もまた違った良さがあります。花の時期が終わると、枯れ草のような状態になりますが、根元で切り戻しても春にはまた新芽が芽吹きます。

メカルドニア

メカルドニア初夏に黄色い花をたくさん咲かせる植物です。横に広がっていく特徴がありますが、冬の寒さには弱いため、一年草として紹介されることもあります。暖かい地域であれば、霜がかからないように気を付けて育てると越冬も可能です。一見、枯れたように見えますが、無事に越冬できると春にはまた株元から芽吹いてきます。

ワイルドストロベリー

ワイルドストロベリー花だけでなく、その後可愛い実も楽しめる、育てやすい植物です。非常に生長力があるため、日当たりと風通しの良い場所であれば手間をかけずに広がります。株元からランナーを増やしてどんどん広がりますが、抜くのはとても簡単。根を強く張らないため、広げたい範囲にとどめるのもさほど労力はいりません。葉っぱが大きく若緑色であることや、実がつけばパッと目をひく鮮やかさで、お庭の良いアクセントにもなります。地植えの場合、夏越しや冬越しのための対策は不要で、基本的に常緑ですが冬には紅葉することもあります。

クラウンベッチ

クラウンベッチ広いエリアを可愛らしい花の咲く植物でカバーしたいなら、クラウンベッチがおすすめです。花はレンゲに似た形の薄桃色をしており、さまざまな環境下でもたくましく育ちます。しばしば広がりすぎて雑草のように扱われることもありますが、それだけ生育が旺盛という点はメリットとも言えます。見映えの悪い雑草だらけの土地を、花の咲く植物でカバーしたい時などにはとても使いやすい植物です。

雑草対策としてグランドカバーを利用する際の注意点

グランドカバーを利用することで雑草対策ができる一方で、いくつかの注意点もあります。以下にそのポイントを挙げます。

広がりすぎに注意

一部のグランドカバー植物は非常に生育が旺盛で、思った以上に広がることがあります。庭全体を覆い尽くしてしまうと、他の植物が育ちにくくなる可能性があります。広がりを抑えるために、定期的な剪定や間引きを行いましょう。

土壌の管理

グランドカバー植物を植える場所の土壌は、しっかりと管理することが大切です。特に、水はけの良い土壌を選ぶことが重要です。水はけが悪いと根腐れの原因になることがあります。土壌改良剤を使用して、水はけを改善することをおすすめします。

競合する植物に注意

一部のグランドカバー植物は、他の植物との競争力が強いです。特に栄養や水分を奪い合うような競合が発生すると、他の植物がうまく育たないことがあります。グランドカバーを植える際には、周囲の植物とのバランスを考慮しましょう。

定期的なメンテナンス

グランドカバー植物も、他の植物同様に定期的なメンテナンスが必要です。特に、葉の枯れ落ちや病害虫の発生をチェックし、早めに対処することが重要です。メンテナンスを怠ると、逆に雑草が生えやすくなることもあります。

適切な植栽場所の選定

グランドカバー植物の中には、日陰を好むものや直射日光を好むものがあります。植栽場所の環境に適した植物を選ぶことで、より健康に育てることができます。適した環境で育てることで、雑草を抑える効果も高まります。

グランドカバーを上手に活用して素敵なお庭づくりを

グランドカバーは見た目だけでなく、雑草予防などお庭づくりの労力を少なくしてくれるメリットの多さも魅力です。多年草の植物を選ぶと毎年新たに何を植えようか考える必要もなく、花が咲く植物であればより彩り豊かになります。グランドカバーになる植物は育てやすいものも多いですが、まずは環境が適しているかどうか、また広がりすぎるなどの問題はないかどうか確認することをおすすめします。これらの植物を上手に活用して、手間を減らしつつ美しいお庭を楽しんでください。